🗐 ショートショートまとめ |星空と虹の橋

ワンドロやお題などで書いたSSまとめです

時系列順[65件]

2021年1月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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【300字SS】演者はどっち?

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300字SS のお題に挑戦しました。『演じる』です。

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 君の考えは残念ながらお見通しなんだ。その伏せられた瞳の奥で、これなら同情をひけると考えているんだろう?
 君は想いを触れ合わせていると信じていた相手にふられたことに胸を痛めて、他にもいい人はいるから元気を出して、私はあなたの味方だからと言いたいはずだ。前回もその前もそうだった。
 実はこちらの用意した舞台だと知ったら、演者にわざわざ君を選んでいる理由さえも知ったら、一体どんな演技をぶつけてくるのだろう?
 目元にハンカチを当てた君がそろそろと顔を持ち上げる。緩みそうな唇を必死に引き結ぶ。
「どんなあなたでも、私は味方だから」
 一瞬、背筋がふるりと震えた。畳む
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【300字SS】夢は現実を超えない

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『夢』です。

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家を出たら目の前に毛繕い中の黒猫がいた。
逃げていく背中を追う形で、曲がり角を通り抜ける寸前に眼前を何かが横切った。子どもの蹴ったボールと靴だった。
夢の内容そのまま過ぎて、今すぐ駆け出したくてたまらない。次がクライマックスなのだ。
二つ目の角を曲がり、やがて見えてきたバス停に――いた。長い黒髪の女の子だ。
こちらに笑顔を向けて駆け寄ってくる。
我慢だ、堪えろ。もうあと二歩ほど縮まれば、抱き留められたはず――
「もう、遅いよー」
可愛い声が聞こえたのは左の耳、しかも後方から。
呆然と振り向くと、隣に男がいた。

そういえば、夢は、触れられそうなところで終わっていたっけ。

雑音と化した笑い声から、全力で逃げ出した。畳む
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【300字SS】辿り着いた楽園

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『祝う』です。
最初から最後まで明るい感じで書きたかったのにちょっぴり暗くなってしまいました😅

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「おめでとうございます」
「おめでとうございます」
 互いに向かい合って正座しながら深く頭を下げて、ゆっくり上げる。そして、耐えきれず吹き出した。
 結婚してから、元旦の朝一番にこうして祝言を交わすのが恒例になっている。
 去年も充実した日々を過ごせた。大きな事故も病気もなく、敢えて目立った出来事と言えば何度か喧嘩をしたぐらいだ。
「今年もこうやって、笑い合って過ごしたいね」
「できるさ。今までもそうだったんだ」
 隣に座ると、優しく抱き寄せてくれた。ほっとする。彼の存在がこんなにも心強い。
 この先、彼が一緒なら何も怖くない。過去を思えば、なおさら。
 縋るように、彼の胸元に頭をすり寄せた。畳む
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【300字SS】やさしさに包まれて

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『包む』です。
めちゃくちゃベタだと思いますw

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「この公園を知ってから、気持ちにすごく余裕ができた気がするよ」
ここで知り合いになった常連客の彼は、私を見ながら目元を緩ませた。
確かに、出会った頃よりずいぶん穏やかな雰囲気になったし、全てに絶望していたような表情も消えた。
「よかった。私も、毎日手入れしている甲斐があります」
彼はなぜか微妙に視線を外した。もしかして照れてる?
「……そうだね。君の優しい気持ちがこもってるから、花とかこんなに綺麗で、癒やされるんだと思う」
私も同じ目に遭った。嬉しいけれど褒めすぎだ。手入れしている人は他にもいるのに。
「君が俺を、助けてくれたんだ」
照れ隠しの言葉を綴ろうとした口は、まっすぐな視線に射貫かれて止まった。畳む
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【300字SS】「余り者」も悪くない?

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『余り』です。
「余り者」っていう言葉が張り付いて離れなくなった結果ですw

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ふと、彼女が小さく笑った。怪訝に思いながら顔を覗き込むと、緩く首を左右に振った。
「最初は余り者同士だったよね、って」
そういえば、彼女とペアを組むのはこれで三度目だ。
一度目は、名前を知る程度の他人で気まずさが付きまとった。
二度目は、一度目があったから何となく。
それから、ちょっとした知り合いから、常に頭の中に存在するほどの相手となった。
「あの時はマイナスなイメージが強かったけど、今は意外とそうでもないなって。単純かな」
「……むしろ、運命の出会いだったんじゃないかな」
口にしてから、使い古され過ぎたクサい台詞だったと羞恥でいっぱいになったけれど。
彼女はただ、柔らかく笑い返してくれた。畳む
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【300字SS】求めていたものは

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『鞄』です。
書いた自分もよくわからない出来になりました😅

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ずっと欲しかった、小さめのショルダーバッグ。
少しくすんだ、甘すぎないミスティピンクが決め手。
次の給料が入ったら一番に買おうと決めていた。
どういうコーディネートにしようかと毎日妄想していた。
でも、波が急激に引いたように、興味がなくなってしまった。
「彼女」が、身につけているのを目にしてしまった、あの瞬間から。
「自分だけの特別」感が欲しかっただけ?
「彼女」に優越感を示したかっただけ?
心から求めているだけのはずだったのに、本心は違っていた?

別の店でたまたまあのバッグを見つけて、意識的に目を逸らしてしまった。
あの時の気持ちを無残に穢してしまった気がして、胸元が気持ち悪くなった。畳む
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【300字SS】おまじないに縁を託す

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『書く』です。
もうちょっとピュアーな感じにしたかったんですが撃沈……😅

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もうすぐ全ページが埋まる駅ノートの、一番最初を開く。
偶然空いていた右下の空白に、柄が不自然に長い傘を描いた。
——バカみたい。こんなの書いてどうするの。
困っていたところを助けてもらっただけの繋がりしかないのに、これに縋っても状況は変わらない。
ああ、どうしてお礼の品を贈った時に一歩を踏み出せなかったの。

彼女の背中をまた見送るしかできない臆病な自分を呪いながら、駅ノートの前に立つ。
何をしていたのだろう。
――相合い傘?
鉛筆が挟まれていたページに、傘と名前と思しき文字が不完全に書かれていた。
もし、これがメッセージなのだとしたら。
眉唾なおまじないでも、今は縋るしかない。

お願い。想いに、気づいて。畳む
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【300字SS】鍵を外した先にあるもの

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『鍵』です。

友達なのかそれ以上なのかよくわからない関係。
それでも、私は満足していたの。

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メールで連絡をもらった時が、会うことを許された合図。
預かったままの鍵を手に、彼の元へ向かう。
これは私だけに許された、私だけの特権。

「こういう形で会うのは、今日で最後にしたいんだ」

声が出ない。力が抜けて、金属質の音が鋭く響く。
私は、特権を剥奪されてしまった?

「だから、」

反射的に背中を向けていた。聞かなければ何も変わらない。最悪の未来を進むより何倍もマシだ。
なのに進むことを許してくれない。逃げられない!

「本当は、ちゃんと話をしてからにしたかったんだけど」

掴まれたままの手に、硬い感触が生まれた。
正体は、鍵。この部屋のじゃない。なら、どこの?

呆然と顔を上げた先で、彼は初めての笑顔を私に向けていた。畳む
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【300字SS】両極端な奇跡がやってきた

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『橋』です。

これが吊り橋効果ってやつなの? そんなの私は信じたくない!

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最悪だ。スマホをどこかに忘れてきてしまった。行った場所を回って落とし物として届けられていないか確認するも「ない」の一点張り。
新しいスマホはすぐ手に入る。でも愛しいあの人はもう戻ってこない。

奇跡が起きた。連絡をもらった店に駆け込んで確認する。
間違いない。背面のスキンシール、右下の角のキズ、すべて私がつけたもの。
きっとあの人のおかげだ!

「この俺をほったらかしにしやがるとは……まあ、会えただけいい、か」

……充電もそこそこにアプリを起動したのに、どうしてログインボーナスに出てくるのがあんたなの!
でも、キュンとしてしまった。腹立たしいだけだった拗ねた表情が可愛く見えた。
離れてた弊害。そうに違いない。畳む
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【300字SS】ただずっと、笑い合っていたかったのに。

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300字SS のお題に挑戦しました。お題は『泳ぐ』です。
先日アップしたBL短編↓の導入みたいな感じで書きました。



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疲れた時は、ひたすら無でいればよかった。
たとえるなら、大海の真ん中で一人、太陽を見上げながら浮いているだけ。
回復したら、人目につかないよう岸までこっそり泳ぐのだ。

——もしかしてしんどかったりする?

誰にも気づかれたくなかったからうまく繕っていたのに、たった一人の同期の彼は違った。
でも、どうしてだろう。不思議と嫌悪感はなかった。出会った時から感じていた心地よさのせいなのかはわからない。
いつからか一緒に浮かび泳ぐようになっても、自然と受け入れていた。

こんな人には、きっと二度と出会えない。

ごめん。お前は俺を大事な相棒だと言ってくれているのに。
自ら求めた理想郷を壊そうとしてしまうほどに止まらないんだ。

#[BL小説] 畳む

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2021年10月31日(日) 00時24分23秒