Short Short Collections

主にTwitterのワンライ企画やお題で書いたショートショートをまとめています。
男女もの・BLもの・その他いろいろごちゃ混ぜです。

カテゴリー
ハッシュタグ

2021年1月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

【300字SS】求めていたものは

#CPなし

20210101174803-admin.png

300字SS のお題に挑戦しました。お題は『鞄』です。
書いた自分もよくわからない出来になりました😅

--------

ずっと欲しかった、小さめのショルダーバッグ。
少しくすんだ、甘すぎないミスティピンクが決め手。
次の給料が入ったら一番に買おうと決めていた。
どういうコーディネートにしようかと毎日妄想していた。
でも、波が急激に引いたように、興味がなくなってしまった。
「彼女」が、身につけているのを目にしてしまった、あの瞬間から。
「自分だけの特別」感が欲しかっただけ?
「彼女」に優越感を示したかっただけ?
心から求めているだけのはずだったのに、本心は違っていた?

別の店でたまたまあのバッグを見つけて、意識的に目を逸らしてしまった。
あの時の気持ちを無残に穢してしまった気がして、胸元が気持ち悪くなった。畳む

300字SS 編集

【300字SS】おまじないに縁を託す

#男女もの

20210101175019-admin.png

300字SS  のお題に挑戦しました。お題は『書く』です。
もうちょっとピュアーな感じにしたかったんですが撃沈……😅

--------

もうすぐ全ページが埋まる駅ノートの、一番最初を開く。
偶然空いていた右下の空白に、柄が不自然に長い傘を描いた。
——バカみたい。こんなの書いてどうするの。
困っていたところを助けてもらっただけの繋がりしかないのに、これに縋っても状況は変わらない。
ああ、どうしてお礼の品を贈った時に一歩を踏み出せなかったの。

彼女の背中をまた見送るしかできない臆病な自分を呪いながら、駅ノートの前に立つ。
何をしていたのだろう。
――相合い傘?
鉛筆が挟まれていたページに、傘と名前と思しき文字が不完全に書かれていた。
もし、これがメッセージなのだとしたら。
眉唾なおまじないでも、今は縋るしかない。

お願い。想いに、気づいて。畳む

300字SS 編集

【300字SS】鍵を外した先にあるもの

#男女もの

20210101180150-admin.png

300字SS  のお題に挑戦しました。お題は『鍵』です。

友達なのかそれ以上なのかよくわからない関係。
それでも、私は満足していたの。

-------

メールで連絡をもらった時が、会うことを許された合図。
預かったままの鍵を手に、彼の元へ向かう。
これは私だけに許された、私だけの特権。

「こういう形で会うのは、今日で最後にしたいんだ」

声が出ない。力が抜けて、金属質の音が鋭く響く。
私は、特権を剥奪されてしまった?

「だから、」

反射的に背中を向けていた。聞かなければ何も変わらない。最悪の未来を進むより何倍もマシだ。
なのに進むことを許してくれない。逃げられない!

「本当は、ちゃんと話をしてからにしたかったんだけど」

掴まれたままの手に、硬い感触が生まれた。
正体は、鍵。この部屋のじゃない。なら、どこの?

呆然と顔を上げた先で、彼は初めての笑顔を私に向けていた。畳む

300字SS 編集

【300字SS】両極端な奇跡がやってきた

#CPなし

20210101180351-admin.png

300字SS  のお題に挑戦しました。お題は『橋』です。

これが吊り橋効果ってやつなの? そんなの私は信じたくない!

-------

最悪だ。スマホをどこかに忘れてきてしまった。行った場所を回って落とし物として届けられていないか確認するも「ない」の一点張り。
新しいスマホはすぐ手に入る。でも愛しいあの人はもう戻ってこない。

奇跡が起きた。連絡をもらった店に駆け込んで確認する。
間違いない。背面のスキンシール、右下の角のキズ、すべて私がつけたもの。
きっとあの人のおかげだ!

「この俺をほったらかしにしやがるとは……まあ、会えただけいい、か」

……充電もそこそこにアプリを起動したのに、どうしてログインボーナスに出てくるのがあんたなの!
でも、キュンとしてしまった。腹立たしいだけだった拗ねた表情が可愛く見えた。
離れてた弊害。そうに違いない。畳む

300字SS 編集

【300字SS】ただずっと、笑い合っていたかったのに。

#BL小説

20210101180838-admin.png

300字SS  のお題に挑戦しました。お題は『泳ぐ』です。
連載BL『ただずっと、隣で笑い合っていたいから、』 の導入みたいな感じで書きました。

---------

疲れた時は、ひたすら無でいればよかった。
たとえるなら、大海の真ん中で一人、太陽を見上げながら浮いているだけ。
回復したら、人目につかないよう岸までこっそり泳ぐのだ。

——もしかしてしんどかったりする?

誰にも気づかれたくなかったからうまく繕っていたのに、たった一人の同期の彼は違った。
でも、どうしてだろう。不思議と嫌悪感はなかった。出会った時から感じていた心地よさのせいなのかはわからない。
いつからか一緒に浮かび泳ぐようになっても、自然と受け入れていた。

こんな人には、きっと二度と出会えない。

ごめん。お前は俺を大事な相棒だと言ってくれているのに。
自ら求めた理想郷を壊そうとしてしまうほどに止まらないんだ。畳む

300字SS 編集

時系列順97件]2ページ目)

Powered by てがろぐ Ver 4.2.0.
template by do.

admin