星空と虹の橋

【第3話】ただずっと、隣で笑い合っていたいから、

『白石、ドライブ行くぞ』
 休日の朝、セットしていないはずの目覚まし音の正体は、西山からのメッセージだった。時間を確認すると九時を回ったばかりで、いつもならまだ布団の世話になっている。
『今日は天気いいから絶好のドライブ日和だ! 絶対後悔しないから行こうぜ』
 働かない頭を持て余していると遠慮ない追撃が来た。さすがに機嫌の降下は隠せず、包み隠さず返信にぶつける。
『なんだよ急に……おれ、寝てたんだけど。まだ寝てたいんだけど』
『ごめんごめん。車の中で寝てていいから』
『行くの確定なのかよ』
 正直気が引ける。車という密閉空間に長時間いるとなると、確実になにかしらされそうだ。
『悪いけど、今日は用事があるんだよ』
『嘘だね』
 あまりにも自信たっぷりに断言されて、二の句が継げなくなる。
『反論してこないってことはそういうことだ。お前は嘘が下手だからな』
 見事に見抜かれてしまった。四年分の付き合いはお互い、伊達じゃない。
 結局、西山にうまく丸め込まれる結果となってしまった。

感想ありましたらぜひ

選択式・一言感想フォーム