Short Short Collections

主にTwitterのワンライ企画やお題で書いたショートショートをまとめています。
男女もの・BLもの・その他いろいろごちゃ混ぜです。

カテゴリー
ハッシュタグ

油断禁物

#BL小説

思いついたシーンをつらつら書いてみました。
イメージ的にはサラリーマン同僚同士。のらりくらり型男子とツンツン気味男子。受け攻めはあまり考えずに書きました。

-------

 まったく、まいったなぁ。
 大体「なんでもないんですよー」「こっちは大丈夫です、それよりあなたですよ! なんか疲れてません?」的なことを言っておけばかわせるのになぁ。

「下手な誤魔化しなんてしないほうがいいよ」
「そっちのほうがしんどそうな顔してるくせに、よくそんなこと言えるね。呆れるよ」

 ストレートすぎるくらいストレートに、実年齢より若く可愛い容姿の彼は言ってくる。
 このすっぱり感はうちの弟を思い起こさせるが、むしろ鋭利さが増している。
 綺麗なバラにはトゲがある的な? 綺麗より可愛いだけど。
 変に詮索されるのは苦手なんだよね。自分は自分、他人は他人。たとえば俺が親身に話を聞いたところで、本当の意味で他人を理解できるわけじゃない。どうしたって主観が混じってしまうから、失礼だと思うんだ。
 まあ、話すだけでも楽になるっていうのもあるけど、自分にはあんまり当てはまらないかな……。今までも自分で処理できてたし。
 今回はちょっと、珍しく長引いてるってだけ。

「あんたは多分強い人間なんだろうけど、いつまでもそれを保ってられるわけじゃないでしょ」
「変な意地張ってないで、いい加減さっさと折れたら? 限界迎える前にさ」

 それより、なんで君はこんなに構ってくるわけ? こっちの状態見抜けるわけ?
 確かに普段からやり取りは多いほうだけど、大体ツンツンした態度だから、嫌われてるとばかり思ってた。俺はせいぜい「まあ面白いやつだな」ぐらいの意識だった。
 彼のことがよくわからなくなってきたよ。

「そんなに必死になっちゃって、よっぽど心配なの? もしかして俺のこと好き?」

 ドラマとかでよくある冗談を言えば、怒って解放してくれると思ったんだよね。
 ほんと、もういい加減にしてほしかったし。

「……そうだとしたら、どうなの?」

 まっすぐに俺を見つめて、ツンツンした物言いも影をひそめて。
 予想外の反応に、もっとわからなくなった。まさかこっちが動揺するなんて思わなくて、うまい言葉が出てこない。
 彼がさりげなく距離を詰めてきた。目線がほぼ同じ位置だ、なんて場違いな感想を抱いてしまう。

「ぼくがあんたを好きだって言ったら、あんたは素直になってくれるわけ?」

 初めて間近で見た彼の瞳は、腹が立つほど綺麗だった。
 真面目な言い方をしてるってことは、まさか、本当に? いやでも、全然そんな素振りなかった。わからない。

「それは、どうだろうね」

 精一杯の返答をすると、まったく可愛くない不敵な笑みを彼は浮かべた。畳む

その他SS 編集

No.108

Powered by てがろぐ Ver 4.2.0.
template by do.

admin