星空と虹の橋の小説を掲載しています。
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No.77
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「体調不良版ワンドロ/ワンライ」 さんのお題に挑戦しました。
お題は『息抜き』です。
ある夫婦の日常の一コマ。ほのラブです。
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息抜きするのが下手だね、とよく言われてきた。
実際その通りだと自覚はしている。キリのいいところまで作業したいと気持ちが先走って、気づけば三、四時間経っていた、なんてこともザラだ。
そしてひどく疲労してしまう。反省するのはこの瞬間で、なのに馬鹿の一つ覚えのように同じ行動を繰り返してきた。
急に目の前が闇に包まれて、文字と図で埋まったモニタが消える。
「そろそろ休憩しないと、また体調崩すよ」
視界を覆っていた彼の手を取ると、柔らかな笑顔が次に待っていた。
モニタの右下に目を移して短く息を呑む。昼過ぎだったはずが、もう夕方に差し掛かっている。
「またやっちゃった……いつもごめんなさい。わたしのこと気にさせちゃって」
「気にするなよ。店の売上管理とか広告作りとか、頼りにしっぱなしだし」
表に出るのは彼の役目、裏方は自分の役目。だから気にする必要はないと首を振るのだが、彼としては心苦しいらしい。
「もう少し勉強したら手伝えると思うから! 待っててくれる?」
「ふふ。わかった」
彼に立ち上がるよう促され、そのまま寝室へと手を引かれる。これも日常茶飯事のようなものだった。
「別に寝なくても大丈夫だと思うんだけどな……それに夕飯どうするの?」
「少しくらい遅くなっても大丈夫だって。前に頑張りすぎてめまい起こしたこと、もう忘れたの?」
あのときは寝不足もあったから、と説明しても、彼にとっては忘れがたい事件だったらしい。大事にしてくれるのは本当に嬉しいけれど、少し過剰すぎな気もする。
それでも強く言えないのは――向けられる愛情が心地よくて、幸せだから。
隣で肘をついて、横向きになりながら彼は頭を優しく撫でてくる。
何年経っても変わらない。言葉にせずとも伝わってくる心からの労り。手のひらから癒やしの力が出ているかのように、全身へと染み渡っていく。
――ああ、やっぱりわたし、疲れていたのね。
いつも自己管理の甘い自分を助けてくれてありがとう。
頭を撫でる手を唇まで持っていき、軽く押し当てる。うろたえる彼を可愛く思いながらゆっくりと目蓋を下ろした。
#ワンライ