星空と虹の橋の小説を掲載しています。
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No.117
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お題bot* のお題に挑戦しました。お題は「心臓、高温、雨宿り」です。
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帰路に急ぐ足がふいに止まる。
いつも私をからかう彼が、おそらく野良だろう猫を傘の下に入れてあげていた。
すぐ逃げようと思ったのに、まだ足は止まったまま。
そんな顔、私に一度も見せたことないじゃない。
足に頭をすり寄せちゃって、猫ちゃん騙されてるよ。そいつはうんざりするくらい私をおもちゃみたいに扱うんだから。
「お前人慣れしてんなぁ。エサ持ってねーぞ俺」
動物相手だから声も表情も柔らかいんだ。漫画とかでよく見る悪党そのものじゃない。
「お前みたいに素直になれたら、あそこまで嫌われないんだろうな……」
心臓がどくどくと高鳴り出す。みっともなく叫ばなかった自分を褒めてあげたい。
私のことを言っているのだとすぐにわかった。
人が見てないと思って、本気で後悔しているみたいな態度を取って、卑怯以外になにがある?
今の光景を見なかったことにして、ゆっくり踵を返す。
野良猫に情けない姿を晒す暇があるなら、さっさと謝ってきてもらいたい。
行き場のない怒りを、私はひとり耐えるしかできなかった。
#お題もの