星空と虹の橋の小説を掲載しています。
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No.136
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毎月300字小説企画 のお題に挑戦しました。お題は「奪う」です。
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「あなた、泥棒?」
私としたことが、気配に全く気づかなかった。
姿形と表情が釣り合っていない少女は、怖がらないし、通報する素振りも見せない。
ただ、部屋の入口で私を見つめている。
「可愛いお嬢さん。だとしたら、どうします?」
逃げる算段を組み立てながら大仰に問うと、ふらりと距離を詰めてきた。
「盗むなら、あたしを、盗んで」
意図が読めない。
「……なぜ?」
「ここから盗むだけでいいの」
無だった表情に、一気に色が加わる。
「誰も来ないうちに、はやく」
私は人攫いに来たわけじゃない。子どもなんて稼ぎにもなりゃしない。
——救世主のように、必死に見上げてくるから?
握ってくる震えた手を払えないし、揺れる目も逸らせないのだ。
#[300字SS]