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タグ「男女もの31件]

#男女もの
【300字SS】甘い言葉をくれるひとは

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「甘い」です。

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「貴方の声は簡単に私を虜にしてしまうの。耳が蕩けるようよ」
「なら僕は『君の瞳も格好いい声も柔らかい髪も、全部僕を虜にして離さない……君はまさに運命なんだ!』」

「「いやいや、甘すぎ!」」

 二人してお腹を抱える。まさか一言一句綺麗に揃うなんて、素晴らしい奇跡だ。
「ああ、こんなに笑ったの久しぶりだよ」
 笑いで生まれた熱が消えていく。現実が代わりに降り積もる。
「これで、きっと穏やかにいける」
 白いベッドに腰掛けたままの彼は、こうなって幾度目かの苦笑を零す。
「身体がなくても、僕はずっと君と一緒だ。今度は夢で、たくさん逢おう」
 意識して唇を持ち上げた。
「……忘れないで」
 忘れないよ。あなたが最初で最後だもの。畳む

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#男女もの
【書く習慣アプリ】お題:木枯らし

書く習慣アプリ  のお題SSです。

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 思わず、声が漏れた。
 隣をそっと盗み見ると、一見不機嫌そうに唇をとがらせた愛しい人の横顔。
「なんだよ」
「う、ううん。なんでもないよ」
 車の通りは激しくない、というかほぼ歩道みたいな道だから肩を抱いてきた理由とは考えにくい。そもそもとても珍しい行動ゆえにびっくりしてしまった。
「どうせ、似合わねーことしてるとか考えてんだろ」
 バレてた。
 だって、今風に言うとものすごく「ツンデレ」だから。とても可愛い性格だと思っているけれど、なかなか素直になれないことを密かに悩んでいるのも知っている。
「……今日はすげー寒くなるって言ってたろ。んな薄着してくんなっての」
 もしかして、風が吹くたび身をすくめてたの、気づかれてた?
 確かに天気予報では「木枯らし一号」という注意喚起をしてくれていた。ただ気温の数字に振り回された自分が悪い。
 ——ああ、そうか。ようやく、行動の意図に気づけた。
「……あたためてくれてありがとう」
 回されたままの腕に頬を寄せると、さらに距離が縮まったように感じた。畳む

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#男女もの
【書く習慣アプリ】お題:ずっとこのまま

書く習慣アプリ  のお題SSです。

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「ふざけないで」
 一段階低く放たれた声に息をのむ。普段は穏和な彼女が本気で怒っている証だ。
「本気で言ったの?」
 なにが気に障ったのだろう。
「ずっとこのままでいたいって、本気なの?」
 怯えながらも肯定した。例えば嫌い同士でいようとか、そんなネガティブな意味じゃもちろんない。君と僕はとても仲良しなんだから。
「……ずるい。ずるいずるい」
 一転して弱々しい声が、互いの間に静かに響く。
 強風で揺れる湖面のような瞳がこちらを捉えた。涙をこぼす前だと、充分すぎるほどに学んできた。昔からの自分の弱点のひとつだ。
「わたしの気持ち、まだ弄ぶ気なの?」
 伸ばしかけた手が止まる。
「その気がないならわたしの前から消えて。わたしは、とっくに覚悟を決めてる」
 赤の他人か、家族になるか。
 中間の選択は取れない。少なくとも、彼女の中には存在しない。初めて告白を受けたときから宣言されていた。
 悪いのは誰か、もう何度も身にしみている。彼女の優しさに甘えて、ひたすらに目を背けつづけてきた。
「なにが不安なの? 不満なの? それともわたしが勝手に思い上がってるだけ?」
 まだ覚悟が足りない。未来に臆病になっている。それを素直に吐露する勇気もない。だけど離れたくない。
 ――本当に、いつまでこのままでいるつもりなんだろうね。
 今度こそ愛想をつかされると思いながらも、みっともなく縋るのだ。畳む

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#男女もの
【300字SS】最初で最後

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「初」です。

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「今日は本当にありがとうございました」
「こちらこそ。僕としては自分でよかったのかなって今でも思ってるけど」
「いいえ、いいえ。わたく、私こそ我が儘を聞いていただいて、感謝しています」
 もうすぐ今日が終わってしまう。
 終われば、この人の前にはもう、いられなくなる。
 最初で最後の初恋は、甘くもあり苦くもあった。
 ……大好きな人と一日、自由にいられただけでも、幸運と思わないと。
「ど、どうしたの? どこか痛い?」
「お気に、なさらないで。とても、幸せで」
 負の感情は一切含ませてはいけない。一番の宝物としてしまっておけるものにしておきたい。
「それじゃあ、さようなら」

 彼が引き止めてくれても、初恋は消える定めなのだ。畳む

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#男女もの
無意識な色仕掛け?

深夜の真剣物書き120分一本勝負 のお題に挑戦しました。
お題は「②媚」を使いました。
一応お題に沿っている……つもりです😅
だいぶアホっぽいノリになりましたw

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「っもう、またなにするのよ……!」
 仕方ない。
「ごめんごめん」
「全然反省してないのも同じだし!」
 だって、本人はまったく狙っていないとわかっていても、どうしても「誘われて」しまうから。もちろん本人は悪くない、悪いのは完全にこっち。
「公共の場でやめてって前からずっと言ってるでしょ? もう」
 あ、そのふくれ面、上から見ると本当に可愛い。突き出た唇がちょっとつやつやしていて、今度はそこにキスをしたくなってしまう。ダメだダメだ、さすがに怒り狂っての帰宅コースになってしまう。下手したら一ヶ月はスキンシップを自粛せざるを得なくなる。ああ、でも……
「ぶっ」
「黙ってやられてばっかのわたしじゃないから。てかやっぱり反省してないじゃん!」
 手のひらで口元を覆われてしまった。
 というか相変わらず突き出たままの唇に加えて上目で睨んでくるその仕草は、はっきり言って逆効果だ。「わざとやってるだろ!」と突っ込みたくなってしまうほどだ。
 ……付き合う前から痛いほど実感していたことではあるが、天然の恐ろしさを改めて思い知らされる。
「ひゃっ!? な、なに!?」
 慌てて手を引っ込ませ、固く握りしめる。なにをされたかようやく理解したのか、今度は目線を上げてもっと鋭く睨み付けてきた。
「し、信じらんない……!」
 ……わかっているんだろうか。涙目のせいで、ある意味クリティカルヒット級のダメージを与えてしまっていると、実は理解したうえでやっているんじゃないのか!?
「……俺、本当にお前が好きだ」
「は、あ?」
「すごく可愛いって毎日思ってるし、離れたくないし、今すぐ同棲したいくらい」
 なんだこいつと思われてもいい。でも、爆発しそうなこの気持ちを落ち着けるにはこうするしかないんだ!
「や、やだやめてよ! そういうのも恥ずかしいからー!」
 丸い頬は真っ赤に染まり、丸い両目がさらに潤んでいく。しまった、逆効果か!? ならどうやってこの感情を落ち着かせればいいんだ……!


「……あのさ、いい加減パフェのアイス溶けるよって敢えて言うべき? それとも黙って帰るべき?」
「こいつらダブルデートだってこと忘れてるよな」
「あんたの友達も大概だけど、あの子も本気で嫌がってないのが余計にああさせてんのよねぇ。突っ込んだらそんなわけない! って真っ赤になりながら否定するんだろうけど」
「お互いメロメロだからね。って言っても同じ反応しそうだね」
「はぁ……勘弁してよバカップル……」畳む

ワンライ 編集

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