Short Short Collections

主にTwitterのワンライ企画やお題で書いたショートショートをまとめています。
男女もの・BLもの・その他いろいろごちゃ混ぜです。

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【300字SS】この身体は自由

#CPなし

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「鳥」です。

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——あれ? もしかして空を飛んでる?
首をゆっくり回して、足元まで見て、夢じゃないって、やっと信じられた。
嬉しい、嬉しい! 願い事って、ずっと願っていたら本当に叶うんだね。

ずっと鳥みたく、空を自由に飛びたかったんだ。
もう、ここから見える、変わらない景色にはうんざりしていたから。
だってわかるんだよ。自分のことだもん。

腕を羽のように伸ばして、行きたい方向に自然と身体が動く。
すごい。自由ってこんなに気持ちがいいんだね。
絶対手に入らないって諦めてたから、涙が出そうだよ。

——だから、二人は泣かないで。どうか囚われないで。
ほら、顔を見てよ。全然苦しそうにしてないでしょ?
もう、二人も自由になって。畳む

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【300字SS】ここはあたたかくて、やさしくて、

#CPなし

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「朝」です。

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 太陽の光と熱を感じて、瞼を持ち上げ、身体を起こす。
 部屋着に着替えてリビングに向かうと、いつもの笑顔が瞳に飛び込んでくる。
「おはよう。今日も寝坊しないでちゃんと起きられたね」
 それに憎まれ口を返しながら、朝食の並ぶテーブルにつく。

 太陽の熱を感じて、瞼を持ち上げ、身体を起こす。
 部屋着に着替えてリビングに向かうと、変わらない笑顔が瞳に飛び込んでくる。
「おはよう。今日も寝坊しないでちゃんと起きられたね」
 それに憎まれ口を返して、朝食の並ぶテーブルにつく。

「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」

 いつまでも変わらない平和で穏やかな朝。
 これ以外の朝はいらない。どうか壊れないで。
 ……? どうしてそんな願いを?畳む

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【300字SS】水底まで貫く光

#CPなし

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「折る」です。

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 私が折り紙で作るものには、なぜか命が宿る。
 いつからこんな力に目覚めたのか、私も周りもわからない。

 ——おお、怖い怖い。その得体の知れぬ力を二度と見せるでないぞ。
 ——その力、ぜひ我らの元で活かしませんか? 気味悪がられるより役に立つとわかれば、あなたも本望でしょう。

 向けられる感情に疲弊して、私は人目から逃げた。
(普通の人で、いたかった)
 無心で折った鶴が羽ばたき、頭上を旋回してから飛び立っていく。
 ……普通が無理なら、翼が欲しい。空を飛びたい。

「あの、今の鶴! あなたが折ったものですよね?」
「前に似た鶴を拾ったおかげで救われたから、どうしてもお礼を言いたかったんです」

 眩しい。温かい。
 これも、人の感情なの?畳む

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【300字SS】「いい子」はもう終わり

#CPなし

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「待つ」です。

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「大人しく待ってなさい。私がいいと言うまで来てはだめよ」
「ここは危険だから。お前を痛い目に遭わせたくないんだ」

 待ったよ。充分待ったでしょ?
 何度も寂しさで埋めつくされて、立ち上がれないほどに絶望しても、そうやって足を止めたよね。
 二人の気持ちはわかってる。もう、小さな子どもじゃないもの。
 そうよ、私、こんなにも大きくなったんだから。
 ——だけど、やっぱり耐えられない。何年経っても、他の誰と触れ合っても、胸の中に空いた暗い暗い穴は、消えない。
 ねえ。私の親なら、私の気持ち、わかってくれるでしょ?

 ——ああ。二人の顔が歪んでる。
 だけどごめんね。お願いだから、もう、そっちにいかせて。畳む

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【300字SS】継がれゆく

#CPなし

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毎月300字小説企画  のお題に挑戦しました。お題は「靴」です。

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 桜を思わせる薄桃色のハイヒールは、私の憧れだった。履けたら一人前の大人になれる気がしていた。
「ふふ、有希にはまだ大きいわね」
 ぶかぶかの足を見て微笑んでいた母が、履いている姿を見たことはない。
「お母さんはもう、似合わないからね。そうね、有希が履いた方がいいわ」
 時々、母がハイヒールを寂しそうに手入れしていること。私の記憶にない、父の名前を呟いていること。
 歳を重ねて、私はその素振りの意味を知った。
「遠慮しないで。大事にしてくれたら嬉しいわ」
 笑顔と言葉に嘘はない。それでも、確かな哀感さがにじみ出ていた。

 今、私の足元をあのハイヒールが彩っている。
 二人分の思い出はちょっと重いけれど、心はあたたかい。畳む

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